せーブログ

買物する際にお得かどうか調べちゃうくせに後で同じ事を調べ直してばっかり。なので記録を残す事に。似た状況の人の轍になれれば

東京都は早くテレワーク助成金の完了締切を延長すべき

東京しごと財団 テレワーク 助成金


(最終更新日:2020/05/11)

はい、今日は東京都*1が実施しているテレワーク助成金の話。

2020/05/11 追記・延長されました!
www.shigotozaidan.or.jp

事業継続緊急対策(テレワーク)助成金とは

  • 助成対象事業者
  • 助成事業の実施期間
    • 支給決定日以後、令和2年6月30日までに完了する取組が対象
  • 助成対象経費
    • テレワークに必要な機器やサービス
  • 助成金上限額
    • 250万円
  • 助成率
    • 10/10

以前からBCP対策として国や地方自治体が様々な助成金を打ち出していましたが東京都が現在受付中の事業継続緊急対策(テレワーク)助成金上限250万円まで助成率が100%(10/10)という破格の試みです。

しかし問題点が複数あり、しかもそれらが絡み合ってステイホームが全く実現出来ていないのが現実です。

問題その1:交付決定まで時間がかかりすぎる

応募殺到で当初は100社としていた対象件数を3,000社に増やしたのでその事自体は歓迎すべき*2事なのですが「審査は1か月」です。
 
1か月でも遅いと思いますがTwitterなどで確認出来る範囲だと既に審査は1か月以上かかっている状況のようです。

5月12日までは申請可能なのでまだまだ審査件数は増えます。今後はさらに遅くなるでしょう。4月24日に【支給決定前】に関するお知らせが更新されていますが未だに「審査は最長1か月」と記載されています。審査をさらに簡略化してスピードアップを図るか、現実に即して「審査は1~2ヶ月」と修正すべきだと思います。

問題その2:支給決定以後にしか購入出来ない

審査に時間がかかっても申請直後から取り組めるのであれば問題ないのですが当助成金は「支給決定以後の購入のみが対象」で「支給決定以前の購入はたとえ申請以降でも対象外」なのです。

NG:申請 → 購入 → 交付決定
OK:申請 → 交付決定 → 購入


この事が次の問題と絡んでさらに面倒な事になっています。

問題その3:テレワーク関連機器が売り切れている

申請受付を開始した3月上旬はそこまでテレワーク機運が高まっていなかったので在庫も豊富で価格も落ち着いていました。ところが4月末現在、テレワーク関連機器は売り切れ続出です。


※注:便乗を推奨しているわけではありません
 
申請時に提出した見積書の商品はもう売って無いのです。何の為の見積もりなのか。審査する方も存在しない架空の数字で審査している状況です。これまた4月24日に更新された【支給決定後】に関するお知らせにこの問題に対する回答が記載されていますが全く対応出来ていません。以下で説明します。

緩和その1:品目が同じなら見積もりの商品でなくても購入可

「パソコンで申請したのにタブレットに変更するのはダメ」「だけど違うパソコンにしてもいい」よ、と条件が緩和されていますが全く効果がありません。

NG:申請時「A社のPC 8万円」→ 購入「A社のタブレット 8万円」 → 助成対象外
OK:申請時「A社のPC 8万円」→ 購入「B社のPC 8万円」 → 助成対象

想定しているケースはこんな感じだと思いますがもはや同じ品目(PC)でも在庫が存在しないので現実は以下です。

申請時「A社のPC 8万円」→ 購入「A社のPC 11万円」→ 助成対象外

特にPCは税込み10万円未満という条件があるので高いけど仕方なく買うは選択肢に入れる事すら出来ません。高かったら諦める。これしか許されていない。
 
「15万円のPCを買うから上限の10万円を助成してほしい」というケースは助成対象外となります。あくまで税込み10万円未満のみが対象、99,999円のPCが1円上がっただけで全額対象外です。

NG:15万円のPCを購入して5万円は自腹、10万円を助成してもらう
OK:8万円のPCを購入して8万円を助成してもらう → 現状は高騰しているので買えない

 
少額なら自腹を切って外出自粛に協力する会社だってあるだろうに不正を防ぎたいあまりにテレワークそのものを妨げてしまっている現実、どうにかして欲しいところ。

問題その4:申請時の見積もりを超える商品しか買えなくても知らないよ。超えた分は自腹でどうぞ?

「申請時に安く見積もっておいて実際は高いの買っちゃったからもっと出して」みたいな言い分が通じないのはまあわかりますが4月現在の在庫状況を見て欲しい。1,000~2,000円だったWebカメラが10倍の10,000円超えですよ?
 
カメラは無くても音声でのコミュニケーションは可能ですしテレワークに必須では無い、って諦めますがヘッドセットは必要でこちらも相場は2~3倍以上になっています。ヘッドセットの2月から4月にかけての暴騰をご覧ください。

テレワーク助成金 ヘッドセット 値動き 売り切れ 品切れ 価格高騰 暴騰

せめて2倍かつ5,000円未満ってところまでは許容してほしい。申請に時間がかかってるせいで高値掴みするハメになってるのに見積もり超えたら払わないって頭おかしいでしょ。

問題その5:物流遅延で期限までにテレワーク関連機器が間に合わないリスク

テレワークにおすすめのモバイルPC
テレワーク助成金 富士通 メーカー GW 営業時間短縮 物流遅延

上記は富士通 WEB MARTのお知らせですが各メーカーとも同様の状況です。

  • 交付決定までが遅い
  • 外出自粛で物流が遅延している
  • 外出自粛で各メーカーのGWが長くなっている

これら3つのリスクが組み合わさる事で令和2年6月30日までに完了する取組が対象という条件から外れてしまう可能性が出て来ています。申請期限の5月12日に提出した企業で購入したテレワーク関連機器がそろうのは6月末になる可能性が高い。ギリギリもいいところです。
 
以上の事から改善すべき点だらけですが最悪でもタイトルにした「6月30日まで、というテレワーク助成金の完了締め切り日を延長すべき」という部分はそろそろ決定・発表してほしいところです。特にウェブカメラとヘッドセットは7月末入荷予定となっているところが増えています。7月末か8月末に延長しないと厳しいです。
 
 

 
 
以下はおまけです。

事業継続緊急対策(テレワーク)助成金のよくある勘違い

事業継続緊急対策(テレワーク)助成金のようなありがたい政策に対して批判ばっかりになってしまったのでフォローも少し。勘違いしている方の誤解を解いておきます

税込み10万円未満じゃ今使ってるPC買えないよ!


今使っているPCと同スペックのPCを自宅にも購入出来るようにする助成金では無いです。あくまでシンクライアント想定。みんなが考えてるのは以下の図に近いと思います。

テレワーク・会社PC持ち帰り方式

テレワーク 会社PC持ち帰り方式

会社のPCを持ち帰るので社内PCがグレーになっていますがグレーじゃなくても同じ。当然、この方式だと会社にあるPCと同スペックのPCが自宅にも必要となるので「10万円じゃ足りない」は正しい。でも事業継続緊急対策(テレワーク)助成金が想定しているのは以下の方式。

テレワーク・リモートデスクトップ方式

テレワーク リモートデスクトップ方式

この会社にあるPCに自宅のPCからリモートで入り込んで作業する仕組みを構築する事も助成条件の1つ。構築しないなら対象外です。このやり方だと自宅のPCは会社のPCを見せるだけの機能があれば良いので10万円未満でも購入可能という判断のようです。昔はゲートウェイサーバを社内に設置したり大変だったけど最近はVPNルーターを買えばそれだけでシンクライアントなテレワークが可能な時代になっています。
 
ちなみにディスプレイは別で申請可能なので10万円に含まないようノートでは無くデスクトップが選ばれています。

NG:11万円のノートPC
OK:9万円のデスクトップPC+2万円のディスプレイ

あと最近のデスクトップはコンパクト。

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見積もりを取ったメーカー以外に変更も可能となったので パソコン工房のテレワークおすすめパソコン特集 もおススメです。

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オリンピック関係のプロジェクトに登録必須って新型コロナと関係ないでしょ!


もともと五輪開催時の都内の交通渋滞緩和の為に設定された助成金なのでその名残りです。まあもう外して良いとは思いますが。オリンピックに賛成でも不賛成でも交通渋滞緩和は両陣営にメリットがあるし簡単なのでサクッと登録しちゃいましょう。

従業員2名以上が条件って1人でやってるフリーランスは対象外なのか!


個人事業主でも対象なんですが2名以上が条件です。そもそも外出自粛=通勤抑制という理由からのテレワーク推奨なんですが1名フリーランスで通勤してる人は相当少ないような?他社に出社してるなら他社が申請するわけですし。

タブレットやPCが対象外ってどういう事なの!


 
それは厚生労働省の方のテレワーク助成金ですね。それも改善されました。
 
www.mhlw.go.jp
 

*1:東京しごと財団

*2:元々4億円予算だったので満額250万支給でも160社、補正予算で80億となったので最低160社から3,200社に増えたものと思われます。実際には50万や100万の申請もあるので平均が半額の125万なら倍の6,400社が助成金対象となる?