せーブログ

買物する際にお得かどうか調べちゃうくせに後で同じ事を調べ直してばっかり。なので記録を残す事に。似た状況の人の轍になれれば

トランス脂肪酸、我が家の見解

はい、今日の記事はこちら。

米食品医薬品局(FDA)は7日、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の成分は「一般的に安全とはみなされなくなった」との仮判断を示した。これが公式見解になれば、加工食品への使用は禁止される。

CNN.co.jp : トランス脂肪酸の安全性否定 食品への使用禁止も 米当局

前にも以下で書きましたが日本人は摂取量が少ないという統計が出ている事もありますし、そこまで気にしないです。これが原因で増える医療費よりも気にするコストの方が高いという判断。

不安を煽りながらの主張が嫌い - せーブログ

「なんで?少ない方がいいなら少なくした方がいいのに!」と思うかもしれないけどマーガリンだけ避ければいいならそうするよね。ところがそんなカンタンな話じゃない。気にするにしても範囲が広すぎる。日本でも各食品メーカーが気をつけ始めてる中でそこまで高い数値が出るとは思えないし。農林水産省のデータを見る。

トランス脂肪酸は油脂類に最も多く含まれており、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングに特に含有量が多い製品があったほか、バター、植物油脂、動物油脂にも比較的多く含まれていました。油脂類以外の食品で、トランス脂肪酸の含有量が1%を超える製品が含まれていた加工食品は、コンパウンドクリーム、生クリーム、コーヒークリームなどのクリーム類、ケーキ、パイ、ドーナツ、ビスケットなどの洋菓子類、マヨネーズ、チーズ、クロワッサン、ポップコーンなどで、いずれも油脂の含有量が多い食品でした。また、牛肉の肩ロースやサーロイン、内臓肉である“ハラミ(横隔膜)”のように牛肉の中でも特に脂肪が多い部位にトランス脂肪酸が多く含まれていました。

農林水産省/食品に含まれる総脂肪酸とトランス脂肪酸の含有量

各食品に含まれるトランス脂肪酸含有量が表になってるんだけどそれっぽいのが並ぶ中で牛肉もリストに入ってるんだよね。例えば輸入牛のサーロインだと100g当たりで0.6〜1.2gのトランス脂肪酸が含まれる。話題に上がりやすいマーガリンはって言うと0.94〜13gなので双方を最大値で比べると1.2gと13gで10倍なので「大変!マーガリン危なすぎる!」ってなる。

けどこれには罠があって100g当たりの数字って事。1回の食事で牛肉100gを食べるのは余裕だよね?美味しいお肉なら200gもちょろいよね?けどマーガリン100gを食べるのはどう?さすがに難しいだろう。これを読んで「なーんだ、マーガリン大丈夫じゃーん」って人はまたまた罠にハマっている。一般的に食パン1枚に塗るマーガリンの量は10g程度と言われているので10日間毎朝マーガリンを塗った食パンを食べていたら100gになる。

大事なのはやはりバランス。「バランスの良い食事」って言葉は何も考えてない人でも言えちゃう中途ハンパな言葉だから白黒ハッキリ付けたい人にはもどかしいだろうけど事実だから仕方ない。食について常に考え続ける事が大切なのであってセンセーショナルなニュースにだけ反応していたんじゃダメって事。

でマーガリンの100g当たり13gって数字。最近はどこのメーカーも過敏になっているので低トランス脂肪酸がほとんどで13g/100gってマーガリンを探す方が難しそう。一番有名なのはネオソフトなのかな?メーカーがPDFで容量を公開しているので転記しておく。

商品名 トランス脂肪酸 飽和脂肪酸 コレステロール
雪印ネオソフト 0.08(g/商品 10g) 2.4(g/商品 10g) 0.1(mg/商品 10g)
雪印ネオソフトハーフ 0.3 (g/商品 10g) 0.5(g/商品 10g) 0 (mg/商品 10g)

ハーフって響きで勘違いしちゃうけどノーマルのが少ないのな。何がハーフなんだよってなるけどカロリーが半分。後ろの方でこれについても書くけどこれまた罠が潜んでます。カロリー半分でもトランス脂肪酸は3倍って時点でここまで調べた人はわかるけど日々の生活の中でみんながこうやって調べる労力を割けるのか?っていうと難しいでしょう。だから我が家は投げたんですね。で、これ食パン1枚に塗る量10gを基準にしているので100gに書き換える。

商品名 トランス脂肪酸 飽和脂肪酸 コレステロール
雪印ネオソフト 0.8(g/商品 100g) 24(g/商品 100g) 1(mg/商品 100g)
雪印ネオソフトハーフ 3 (g/商品 100g) 5(g/商品 100g) 0 (mg/商品 100g)

今回のニュースで真っ先に気にするべき事は「今後どうするか?」よりも「今までどうしてたか?」だ。Aさんは1ヶ月ずっと毎朝ネオソフトを塗った食パンを食べ続けていたので300gのネオソフト、つまり2.4gのトランス脂肪酸を摂取している。マーガリンは嫌いだから食べてませんってBさんは月に2回ほど200gの牛サーロインステーキを食べていたので400gなので4.8gのトランス脂肪酸を摂取している事になり、ネオソフト毎日派のAさんの倍の量になってしまう。

Aさん ネオソフト塗ったマーガリン 毎朝1ヶ月 2.4g
Bさん 牛サーロインステーキ 月2回 4.8g

バランスと言ったのはこういう事。平均摂取カロリーが国よって違うんだけど日本人は1900kcalなのでWHO勧告の1%を目安にすると1日当たりのトランス脂肪酸を1.9g未満に抑えるのが望ましい。ということはAさんとBさんの食生活を兼ねたCさんが毎朝ネオソフト食パンを食べて月に2回200gの牛サーロインステーキを食べたとしても7.2gにしかならず目標値をめちゃくちゃ下回る。*1

今回のこのエントリを書くのに30分以上かかってますし今まで資料集めに要した時間も含めたら2時間ぐらいかかっている。そこまでやって出た答えが「気にしても仕方ないレベル」ってなると農林水産省の意見を鵜呑みにしてた方がマシだって人がいてもおかしくないと思う。自分は調べてから「意味なかったわーつらいわー」って言いたいから調べちゃうけども!

忘れそうになったけど途中で書いた「カロリー半分でもトランス脂肪酸は3倍みたいな罠が他にもあるよ」って話はこういう感じ。

トランス脂肪酸を減らそうとメーカーが原料を変えたり製法を変更したりすると、飽和脂肪酸の含有量が増えるという「トレードオフ」が起きるのではないか、という懸念は以前から、指摘されてきました。それが、実際に起きているようです。

科学無視のトランス脂肪酸批判 思わぬ弊害が表面化 日本人への影響は? WEDGE Infinity(ウェッジ)

この記事はこの記事でちょっと煽り過ぎな感じなのでナナメ読みで構わないで良さそう。上で転記したけどネオソフトハーフはネオソフト(ノーマル)に比べてカロリー半分ってとこが売りだけどトランス脂肪酸は多い。一方で飽和脂肪酸はノーマルの方がハーフ5倍近くになる。そもそも昔は「コレステロールは敵!」って風潮だったわけでそれを抑える為にトランス脂肪酸が増えた経緯もありそう。イタチゴッコなんじゃないかな。ほーら、どうしたらいいかわからないでしょう?

はい、というわけで我が家の結論としては「トランス脂肪酸がアリかナシかでケンカするぐらいなら最初のニュースに出ていたアメリカ食品医薬品局の局長がハンバーグさんってとこに注目して行きたい」という事になります。天職というかふさわしい名前の人が局長になってる感じする。

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*1:月間の合計値にするのは意味ないんだけどわかりやすくする為で日々気をつけるのが正しい